再アルカリ化工法(アルカリート工法)・脱塩工法(デソリート工法)
現在、構造物における劣化が各方面で起こっています。そのリフォーム対策として、従来は破壊工法が主流でしたが、コンクリートそのものの再生を目的とした「テクノクリートシステム」は電気化学的補修工法によるコンクリート劣化再生の新しいシステムです。まさにコンクリートクライシスへの決定打といえます。
中性化されたコンクリートを再アルカリ化するアルカリート工法と、塩害により劣化しつつあるコンクリートから塩分を除去するデソリート工法があります。
中性化とは、空気中の二酸化炭素や水がコンクリートの毛細孔・空隙から侵入することにより水酸化カルシウムが炭酸化してコンクリートのPHを低下させる現象をいいます。この現象により鉄筋周辺のコンクリートが中性化することにより鉄筋が錆び、その膨張力によってコンクリートが破壊されます。アルカリート工法はこれらのコンクリートに電気化学的にアルカリ性を再付与し、再生化する補修工法です。
構造物中鋼材の防錆機能を回復させる目的で中性化によって低下したコンクリートのpHを回復させる。回復させるpHの目標値は鉄筋近傍で10.0超とする。
塩害とは、施工時に海砂を使用してすでに塩分を含有している場合、または構造物が海岸近く、あるいは融雪剤の使用によりコンクリート中に侵入し鉄筋が錆び、その膨張力によってコンクリートが破壊される現象です。デソリート工法はこれらのコンクリート構造物から塩分を除去し電気化学的に再生させる方法です。
構造物中鋼材の防錆機能を回復させる目的でコンクリート中より塩分を除去する。
除去する塩分の目標値は鉄筋近傍で1.2~2.0kg/m3以下とする。